イングランドで最も有名なサッカー選手の一人を描いたNetflixの新しいドキュメンタリー『ベッカム』をご覧になった方も多いだろう。

冒頭でベッカムは学生時代のことを語り、『僕は学校では決してうまくいかなかった。信じられないかもしれないけど、僕は頭が良くなかったんだ』。

それが私の関心を引いた。デビッド・ベッカムがプレーした試合を何度か観戦したことがある私は、彼の意見には同意できない。

多くの学校で、そしておそらく社会で、知性はしばしば、どれだけ雄弁か、どれだけ学問的なテーマについて知っているかで判断される。

しかし、知性や成功を測る方法は他にもたくさんある。例えば、40ヤードの距離からパスを出して、狙ったところに正確にボールを運べる人が何人いるだろうか？ディフェンスの壁を越えてカーブを描き、ボールがゴール上隅に収まるのを見ることができた人は何人いるだろうか？

そのためには、ある種の知性が必要だ。スピンの量、ペース、狙う方向を知ることには物理学や数学の要素がある。また、これらの技術を完璧なものにするまで何度も何度も練習しようとする回復力も必要だ。

デビッド・ベッカムは、学校の成績は「A」（または「7」）ではなかったかもしれないが、他の選手がほとんど持っていないタイプの知性を持っていることは間違いない。もちろん、「知性」がないと思われているにもかかわらず、彼も驚異的な成功を収めている。彼は、家庭生活、キャリア、そして多くのスポンサーとのバランスを取ることができる、思いやりがあり、心の広い人物に見える。それもまた、特別な技術を必要とする。

IBの学習者プロフィールのいくつかをここに織り込んでいることにお気づきかもしれません。それは、IBが生徒たちに、人生でよい結果を出そうとするならば、これらの特性が必要であることを認識させようとしているからである。

これは、私たちが生徒の間に広めたいと考えていることです。私たちは毎月、IBラーナープロファイルの属性を取り上げ、各学年で最も模範となる生徒に修了証を授与しています。また、生徒がこれらの属性（全部で10種類）について話し合い、誰がその属性をよく表しているかを考えるよう奨励しています。

ベッカムのように成長してプロのスポーツ選手になる者もいるだろう。そうでない人もいるかもしれないが、それでも成功するためにはさまざまなタイプの知性が必要になる。ある生徒にとっては、学業成績が自分の進むべき道に不可欠であり、またある生徒にとっては、私たちが普及に努めているライフスキル、そして学習者プロフィールの特性に基づいて、自分なりの「成功」を見出すことができるだろう。